12月17日(土) カフェ・プーランクではもうすっかりおなじみの角本智さんと初お目見えの成宮彩華さんのデュオコンサートが開かれました。
前半は、ショパンの唯一の連弾曲 「ムーアの歌による4手のための変奏曲」や、
角本さんのソロで、スケルツォ第1番とバラード第4番という難曲を続けて演奏されました。角本さんは、いつもと同じように演奏者の曲に対する思い入れがひしひしと伝わってくるような演奏。技術的にも非常に安定感があってまさに聴き手の心をつかんで離さない演奏といってもよかったのではないでしょうか。
後半は、サンサーンスの動物の謝肉祭(連弾)からの抜粋から始まり、
その後は成宮さんのドビュッシー・ラヴェルが続きました。彼女が弾き出すやいなや、いままでの空気感が180度転換。さすがにフランス物を得意としているというだけあって、タッチや音色等が角本さんとは全く違います。
同じピアノでこうも雰囲気が違うものかと驚くことしきりです。
ドビュッシーの前奏曲集第1巻から 、ラヴェルの「クープランの墓」からの抜粋、本当に繊細で素敵な演奏でした。
そして、ラストは再び連弾。 ラヴェルの「マ・メール・ロワ」、曲を慈しむような演奏で締め括られました。
それにしても、前半と後半の対比は見事のひとこと。プログラムも非常によく考えられており、連弾曲の、ラフマニノフ編曲のチャイコフスキーの「眠れる森の美女」、クラシック通でも知らないのでは?と思うようなショパンの唯一の連弾曲 「ムーアの歌による4手のための変奏曲」を始め、ソロ曲とともに安易に聴き手に妥協することのない素晴らしい選曲だったと思います。
プログラム、 演奏とも非常に充実したコンサートでした。